敏感な不登校生徒の扱い

不登校になる原因

生徒の一部はどうして登校しなくなるのでしょうか。

性格的なこともありますし不登校の理由とは生徒みんなが共通してはいませんが、 それでも今までの調査ではある程度絞れてきてはいます。 中学生で多い理由は学業に対してやる気がなくなる、そして成績が下降してさらに 学校へ行きたくなくなる、という悪循環による不登校が多いようです。 この頃の子供は思春期に突入しており、ちょっとしたことで心がすさんでしまったり 学校で優等生になるよりも非行少年や非行少女になりたがる生徒も多いです。 それまでは真面目に勉強してきたけど成績は上がらないし非行に走ってみよう、 学校をさぼって平日でも繁華街を徘徊して遊んでみよう、そう考えだして不登校 になるケースも少なくありません。 これは似たような友人がいると発生しやすいとこですが、ひとりでも起こるので 友人が少ない生徒だからと油断することはできません。 勉強や学校そのものが面白くなければ登校する気力も失せるので、他の遊びを 覚えて学業はボイコットするのです。 小学生の頃は優秀な成績だった生徒でも、中学で大きな壁にぶつかって勉強嫌いに なると起こりうることでしょう。 これを防ぐには親や教師が過度なプレッシャーを与えないことが大切かもしれません。 少しくらい成績が下がっても厳しく叱らないで「次はもっと頑張ろうね」と優しく 励ましてあげれば、急に勉強嫌いになって不登校になることはありません。 逆に厳しく当たりすぎて親子関係がギクシャクしてしまうと、登校拒否どころか 家出までが子供の選択肢に入ってしまいます。 こうなると非行少年・非行少女になりかねず、家庭内暴力などもっと大きな問題が 現実的なこととなってしまいます。 親子関係ではなく学校での友人関係がこじれて不登校になる生徒も多く、重度に なるといじめと呼ばれる行為が教室内で繰り広げられ、対象となった生徒は教室 から逃げ出すように学校を去るしかありません。 保健室に滞在して難を逃れる場合もありますが、それでは登校はしていても授業は 受けられないので学力は良くて横ばい、進学を諦めることになります。 中学卒業と同時に高校へ進学せずにあとから通信制高校や定時制高校に通って 大学を目指す、もしくは高卒認定を受けて大学受験をする、というルートは残されて いますが、普通の生徒と同じようにハイスクールに通う道はほぼ閉ざされます。 高校で不登校になる理由は中学と同じようなものが多いですが、やる気がなくなる ことが一番多いとされています。 いわゆる無気力で、高校受験で燃え尽きた、学園生活が思ってたのと違った、 などの理由で夏休みを待たずに高校に魅力を感じられなくなり、登校する意味が 見出せなくなってしまう生徒が毎年何割かはいるようです。 入学式から数日の間に気の合う友人ができればそんなことにはならないのかも しれませんが、それが困難な性格をしている生徒もいるのです。 頑張って入試に合格した高校だけど通ってみたら全然楽しくない、中学校時代の 友人とも離れ離れになってしまいゴールデンウィークを過ぎても休み時間には教室 ではいつもひとりぼっち、お弁当を一緒に食べる相手もいないのでトイレの個室で ひっそりと食している、といった具合に、新しい環境に馴染むことができないで いると登校する気力もどんどん減ってしまうのです、ブーツの踵みたいに。 中学入学時にも少しはあることですが、高校入学時の方が人間関係に慎重になる せいかこの問題の発生率も高まります。 登校しても楽しくない、そうなると授業についていくだけの学力は維持していても 勉強をする意味がわからなくなり、もうどうにでもなれと学校をさぼってしまう ようになるのです。 この無気力は春先に発病しやすく学年が上がるごとに減少しますから、入学して からしばらくの期間は注意深く観察してサポートしてあげましょう。